川の向こう岸から、フェルメールの暮らしたデルフトの町並みを眺めた風景画です。手前の岸には数人の人と船が描かれ、画面の上半分以上を大きな空と雲が占めています。
1660–61年頃の作品です。雲の影に入った手前の家並みと、奥で日の光を浴びる新教会の塔との明暗が、町の奥行きを生んでいます。
船や屋根には、光の粒を置くような白い点が使われていて、水面や建物がきらめいて見えます。近くで見ると、絵の具の盛り上がりで、れんがや屋根の質感も表しています。
フランスの作家プルーストは、この絵を「世界でいちばん美しい絵」と呼び、小説『失われた時を求めて』では、作中の作家がこの絵の「黄色い小さな壁」を見つめながら亡くなる場面を書いています。























